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赤岳に登る(6) [登山]

■3日目(10月10日)

 6:00、明るくなったのと同時に出発。しかし、それにしても痛い。死にそうだ。「たまには人里から離れてリフレッシュ」なんて言って山に出かけたところで、病気になったら、人里に戻らないとどうにもならない。人間とは脆いものである。完全に負け犬の気分で歩き続けた。こういう心境では、せっかくの川のせせらぎも単なるノイズである。

 30分ほど歩いて思った。これは、茅野駅まで自力で行くのはきつい。一番近い美濃戸山荘まで行けば林道が通っていて車が走れるから、ここで救急車を呼んでもらおうと考えた。それを姉に伝えようと携帯を取り出したら、姉からさっきのメールの返事が来ていた。

5:50 姉→ひぐらし
「大丈夫? でも病院は掛かり付けの方がいいんじゃない?それに今日は祝日だよ!やってる病院は少ない。そんなにひどいの?」

6:32 ひぐらし→姉
「すごく痛い。歩くのがしんどい。一番近い所、山小屋から救急車かも。」

6:40 姉→ひぐらし
「迎えに行こうか?必要なら電話して!」

 この後、通話で車で来てくれるように頼んだ。姉が言うように遠隔地の病院では、痛みの処置だけ御願いすることになるだろう。しかし4年前に緊急搬送されたときは、痛みを止めるために点滴をしてもらった。そのとき、かなりの眠気があったのである。だからそのあとで電車に乗る自信がなかった。

 それにしてもありがたい姉である。後で聞いたところでは、このとき姉には姉の考えがあった。まず、僕が山登りを始めたのは自分が引き込んだようなものだという認識があった。だから僕が山で事故を起こしたら、それは自分にも少なからず責任があるというもの。もうひとつは、うちの両親のこと。姉や僕が山登りをするというと、両親は非常に心配して、行くなと反対する。僕が事故を起こせば、それこそ鬼の首でもとったように「ほら見なさい、だから山は危ないんだ。もう行くのはやめなさい」と反対する理由を一つ与えてしまうこと。ということで両親に知らせずにとにかく、助けに行こうと思ったそうである。

 幼い頃のことを思い出した。姉と弟の関係も5歳くらいの年齢差があると、姉は幼い頃から母性本能が働いて弟を非常に可愛がるようだ。そういう姉弟関係を僕は3組くらい知っている。しかし、我々のように年齢差1年半ではこうはならないようだ。例えば姉が7歳になったとき、僕は5歳6ヶ月。可愛がる対象ではなかったらしい。姉は1年半の年齢差を利用して弟をいじめる「ドS」だった。今思えば、姉は、自分が姉として弟よりも優位に立っていることを常に確認しなければ不安だったのではなかろうか。
 まあ、でも、その「ドS」の気も、小学校の高学年になった頃にはすっかり無くなり、それ以降は世間一般に見て、かなり仲のよい姉弟関係になったと思う。

 2時間歩き続けて、8:00。ようやく美濃戸山荘についた。小屋の人は、僕が事情を話すと、すぐに119番に通報してくれた。そして奥の座敷で休ませてくれた。8:30に救急車が到着。回りの登山者は好奇心丸出しで僕を見ていたが、そんなこと構ってはいられない。
 救急車に乗り込んで間もなく、傷みが少し和らいだ。それと同時に膀胱がパンパンに張ってきた。どうも、石が少しずれて尿管が開通したらしい。病院に着いたときには、痛みはだいぶ引いていた。

 搬送されたのは茅野市内の諏訪中央病院。尿の赤血球の検査で陽性。X線CTスキャナーで、断層撮影をしたところ、膀胱のすぐ上に直径2mm程度の石があることがわかった。治療方法は、以前と同じ方法。つまり、このサイズなら破砕はせず、痛み止めをしながら自然に排出されるのを待つ。病院ではボルタレンという痛み止めの座薬を処方してもらったが、病院についたときに、幸いにして傷みがかなりひいていたので、点滴等はなし。姉は千葉から車を飛ばして11:00頃に病院に迎えに来てくれた。助かった。

 あとで知った話であるが、諏訪中央病院というのは、地域医療に貢献した鎌田實というお医者さんが名誉院長を勤める、全国的に有名な評判のよい病院なのだそうだ。道理で救急医を含め、スタッフはみんな優しい人ばかりだった。

 美濃戸山荘の人、救急車の人、諏訪中央病院の人、姉。お世話になりました。

******

 下は、赤岳頂上小屋で買った記念バッジ。
01.jpg

 それから、諏訪中央病院で貰った診察券。二度目に使うのはいつになるかわからない(できることなら使わずに済ませたい)が、記念にここに貼っておく。
02.jpg

(おわり)
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MadScientist N添

大変だったね><。
でも、後にリュックに常備するAmmoを入手した様だし、今度は(次がないことを祈らないといけないけど)もう少し安心できるかもね^^;。
それと、ロキソニンなんかも入れておくと、さらに安心かも(消炎鎮痛解熱薬。ただし、利尿薬を服用している場合は注意が必要)。

しかし、体質改善…それが優先かな^^;;;;。
by MadScientist N添 (2011-10-26 23:18) 

ひぐらし

N添さん、こんにちは。体質改善というのも、なかなか難しいです。というのは、1ヵ月に一回発症するなら問題意識が残りますが、4年に一回のオリンピックペースでは忘れてしまいます。そして忘れた頃にまたやってくる。困ったものです。
by ひぐらし (2011-10-27 20:22) 

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