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人物写真を考える [カメラ]

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(上の写真はGWの撮影に使った機材。レンズは、21mm、40mm 、70mmの3本。本体に装着されているのは40mmで、これはパンケーキ型の薄いもの。フィルム時代にもPENTAXはこういうパンケーキレンズを出していて、MXにこれを着けて街に繰り出すのがカッコいいとされていた。憧れたなあ。K-7にパンケーキレンズをつけても、本体が立体的に造形されているので、MX時代よりも厚くなるが、それでも他のレンズに比べれば随分と小型軽量である)

ここからが本題。
 僕が中学生くらいの頃の話だから、もうずいぶん前のことになるが、静岡に住む父方の伯父が、写真に凝ったことがあった。遊びに行ったときに、すごい機材を見せてくれた。彼はニコン派で、一眼レフ本体はもちろん交換レンズも広角から望遠までズラリと揃えて、休みになると、それを抱えて撮影に出かけるのだと言う。最近撮ったという写真を見せてくれた。伯父は「なかなかうまく撮れないもんだ」と自嘲していた。

 その写真は近所の子供を撮ったものだったが、全員が仏頂面をしている。子供の写真は、遊んでいるときの楽しそうな表情がすべてだと思う。しかし伯父の写真は3人の子供を横一列に並ばせて、直立させて正面から撮ったものだった。まあ、そりゃそうだろう。伯父はいつも厳しい顔をしたカタブツで、普段から子供と一緒に遊ぶような人物とは思えない。写真機材を揃えたからと言って、急に子供と対話ができるようになるわけではない。

 さて、ゴールデンウイークに新しい一眼レフカメラを使ってみて、コンパクトカメラと一眼レフの違いを改めて認識しなおした。この違いを敢えて一言で表現するなら、「打率と打数」だろう。

 まず打率について。コンパクトで、「おっ、これは」と思うような良い写真が撮れるのは、10枚に1枚だとするなら、一眼レフなら5枚に1枚くらいかな。(あくまでも僕の場合)これはカメラの、主に光学系(レンズ、プリズムなど)の性能、露出の決め方の自由度の高さ、フォーカスの精度などの作りの良さが効いていると思われる。
 次に打数について。一眼レフの場合は処理速度が速いから、1枚撮ってから、次に撮るまでの時間が短い。 ということは、シャッターチャンスが増えるのである。コンパクトでタイムラグが5秒あるとすると一眼レフは1秒以下である。と言うことはシャッターチャンスが5倍あるから、枚数が5倍稼げるということなのだ。(これは連写モードの話ではなく、ごく普通の撮影モードでの話)

 ちなみにフィルム時代を思い出すと、1枚撮った後で必ずフィルムの巻き上げがあったから、どんなに慣れていても1秒程度のタイムラグはあった。そこへ行くと、デジタルは巻き上げがないから、ファインダーから目を離す必要がない。その分、被写体に集中できる。1秒に1枚なら、ほとんどストレスを感じない。また、それより速く撮りたいなら、連写モードを使えばいい。

 GWの最終日に母のポートレートを撮った。包み隠さずありのままを言うと、高齢者を綺麗に写すのは、若い人の場合に比べて難しい。普通に考えれば、そんなことは当然である。しかもうちの母はデブであるから、輪をかけて難しくなる。しかし高齢者でも、たまにいい写真が撮れることは確かにあるのだ。要は確率の問題なのだから、枚数を増やせばその中によい写真が含まれている可能性は高くなる。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。そして数打つためには処理速度が速くなければならない。

 特に人物撮影をしていて問題になるのは、人間の表情が、カメラの影響を受けるという事実である。カメラを向けて、じーっとしていたら、どんなに愛想のいい人だって表情がこわばってくる。素人カメラマンのモデルは、普通は素人である。写真を撮られるために「笑顔を止める」ことには慣れていない。鏡に向かって写真用の笑顔を作ってみて、それが何秒くらい続くか試してみると良くわかる。僕の場合は10秒くらいが限度だった。カメラに注意が向いているときは、もっと笑いにくいと考えて、笑顔持続時間が一般的に5秒だとしよう。「はい、チーズ、パシャ」と言うのが普通のリズムであって、はい、チーズ、と言った後で、5秒間時間をあけて、パシャ、と撮ったら表情は無くなっているはずである。

 モデルの笑顔が5秒の命で、なおかつコンパクトカメラが5秒に1枚しか撮れない(メモリーに画像を書き込むのに5秒もかかる)ようなら、1回の笑顔について1枚しか撮れない。しかし、一眼レフが1秒に1回撮れるなら1回の笑顔について5枚の撮影が可能になる。その中に、いい写真がきっと含まれている。シャッターチャンスが5倍に増えるとは、そういう意味である。

 結局、打率と打数の掛け合わせによって、一眼レフでいい写真が取れる確率はコンパクトカメラの10倍に跳ね上がる。1枚1枚を比較すれば、コンパクトカメラだっていい写真が取れることはあるし、一眼レフだって駄作になることはある。でも、トータルで見れば、一眼レフの方が圧倒的に有利だということである。

 下は母の写真。場所をあちこち変えて撮ること合計20枚。(レンズは70mmを使用)選んだベストショットが、やっと、この写真である。それでも数枚の中から選ぶよりも20枚の中から選んだ方がいいに決まっている。デジカメは現像代を気にする必要がない。だから好きなだけバシャバシャとシャッターを切れる。「数で勝負」ってことが可能になるのだ。
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(蛇足)
 プロの人物カメラマンは、モデルとの対話が上手である。テレビでたまに映画のポスター撮影の様子などを見ることがあるが、モデルを緊張させないように上手にリードしながらシャッターを切っていく。そしてモデルは、ただでさえ綺麗なのに、それに加えて表情を作るのがとびきり上手ときている。さらにカメラマンは、山のように写真を撮って、その中から一番良いものを選ぶのだ。素人がプロに太刀打ちできるわけがない。
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