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映画 「初恋のきた道」 [映画]

 去年の7月にどろぼうひげさんのブログで紹介されていた映画「初恋のきた道」。ずっと気になってはいたものの、見る機会のないまま、1年以上経ってしまった。中国に出張したあと、しばらく中国のことが頭から離れないので、買って観てみた。

 2000年にヒットした映画だし、もうストーリーをばらしてもいいよね。

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 語り手の男性が、父親の死で、故郷の村に帰ったところから物語が始まる。村長が死のいきさつを語る。語り手の男性の父親は小学校の教師で、校舎を新築するための金策に奔走しているときに吹雪の中で倒れ、帰らぬ人となった。遺体が今、町の病院の霊安室にある。遺体を村に運んで埋葬する必要があり、車を使えば半日で運べるのに、語り手の母親、つまり死んだ教師の妻が遺体を昔ながらのやり方で担いで運ぶと言って聞かない。村の人手は老人と子供ばかりで、担ぎ手を雇うにはお金がかかる。はて、どうしたものか、と語り手に相談する。ここまでのシーンは現代のシーンでモノクロ映像だが、ここから場面が40年前に遡り、カラー映像になる。

 ヒロイン、つまり語り手の母親はこのとき18歳。町から村へ続く道を、馬車に乗って、20歳の青年教師がやってきた。ヒロインは、青年教師に一目惚れ。彼に料理を作ることで、自分の気持ちをなんとか伝えようとする。しかし、ある日、青年は突然、町へ帰らなければならなくなった。村人の噂話がおぼろげにいきさつを語る。「右派だってさ」

 右派という言葉、中国の人ならすぐにわかる言葉であろうが、日本人の視聴者には、若干の予備知識が必要になろう。中国共産党が1957年に行った反体制狩りを「反右派闘争」という。主に共産党を批判した文化人が取り締まりの対象になった。やがてこれが、文化大革命につながっていく。
 ヒロインの慕う青年教師もこれ(おそらく思想の取調べ)のために町へ急に帰らなければならなくなった。ヒロインは、町へ続く道を走り去る馬車を追いかけ、自分の作った料理を持って夢中で走る。しかし追いつけるわけもなく、馬車を泣きながら見送った。

 冬休み前には必ず帰ると約束した青年教師が、いつまでたっても帰らず、ヒロインは町に行こうと決意するが、途中、吹雪の中で倒れてしまい、凍死寸前で助けられた。このいきさつを聞いた青年教師は一時村に戻り、ヒロインと再会する。そして2年後、二人は結ばれた。

 語り手は、父母の若い頃の話を聞いて育ったから、母親が、その「道」にこだわる理由がよくわかった。普通の人にとっては単なる道であっても、自分と夫にとっては思い出の道なのだ。だから最後にこの道を夫と一緒にゆっくり歩いてたどりたいのだ。息子は母親のために、大金をかけて人を雇ったが、教師の死を聞きつけた教え子たちが集まって棺を担いでくれ、誰も金を受け取らなかった。
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  泣けた。ヒロインのやることなすこと、全てがいじらしく、切なく、シーンが変わるたびに涙が溢れた。7年前にこんな映画があったなんて知らなかった。

 ヒロインを演じた章子怡の演技力がすごい。これだけの演技ができる人は、そういないと思う。はにかんだ顔、どぎまぎした表情、うれしそうな仕草、どれをとってもこの映画の美しいシーンに自然にはまりこみ、なんらの不自然さもなく、だからこそ、見る人を自然に映画の世界に引き込む。はやり世界の頂点に立つような映画人は監督にせよ、女優にせよ、すごい力をもっている。
  なんだか映画に圧倒されてしまって、うまい言葉が見つからない。思い出しただけで、涙が出てしまう。ああ、ひたすら感動。


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どろぼうひげ

おぉ~っ!見て頂けたんですねヽ(^。^)ノ
しかも購入して(^^♪
この映画ボクの中では今でもイチオシです
なんといってもヒロインの娘がいじらしくて可憐で、ものすごいフォースでひきつけられました。
彼女の演技力だけでなく、美しい大自然や、モノクロの使い方、過去と現在の混ぜ具合といった、監督の手腕にも深く感動しました。
この喜びを分かち合えて嬉しいです(^^♪
いや~、映画って本当に良いもんですねぇ
by どろぼうひげ (2007-09-26 19:25) 

ひぐらし

どろぼうひげさん、こんにちは。ストーリーはとってもシンプルなんですが、それでもここまでの完成度に仕上げるのは、やはり監督の技量と俳優の質なんでしょうね。あらゆる意味において、映画の「進歩」と言えるのかもしれません。
 本当に良い映画を教えていただいて、感謝してます。ありがとうございました。
by ひぐらし (2007-09-26 20:01) 

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